追悼・渡辺康之さん
更新日:10月12日

2026年9月5日、AIRS昆虫学研究誌の顧問委員を務められていた渡辺康之さんがお亡くなりになりました。
渡辺さんには、AIRSの活動初期からベトナム南部のホンバ山での調査に数回にわたりご参加いただき、調査活動に多大な貢献をしていただきました。
悪性中皮腫に罹患されていることが最近になって判明しました。どうも学生時代に1日だけやった建物解体のアルバイトでアスベストに曝露したことが原因であったようです。
2026年5月のホンバ山調査への参加も危ぶまれましたが、ご本人の強い希望で参加されました。山中では呼吸が苦しかったのでしょう、長い距離を歩くことは難しく、一ヶ所に留まって採集や撮影をされていました。それでも、前回の調査に続いてオウゴンテングアゲハ Teinopalpus aureus の幼虫を見いだされていたのは、さすが渡辺さんでした。
帰国後も北海道に出掛けてヒメチャマダラセセリの調査を行うなど、最後まで精力的に活動されていました。
それと並行して、AIRSのホームページに「渡辺康之の部屋」を開設する準備を進めていただき、幸いにもご存命中に公開することができました。
写真家としても活躍されながら、ご自身のホームページを持たなかった渡辺さんが、長年にわたって撮りためた膨大な写真の中から自ら作品を選び、一枚一枚に解説を加えてくださいました。病を抱えながらも最後まで写真の選定と執筆に取り組まれたこの仕事は、結果として渡辺さんが私たちに残してくださった最後の作品となりました。「渡辺康之の部屋」には、昆虫と自然に向き合い続けた渡辺さんの情熱と、その確かな眼差しが今も息づいています。
渡辺さんには、AIRSの活動を深く理解し、長年にわたって多大なご協力とご支援をいただきました。ここに改めて心からの感謝を申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
安らかにお眠りください。合掌。

