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大雪山の自然

北海道の中央部に位置する大雪山は1934(昭和9)年に国立公園に指定されており、中央火口(お鉢平)を中心とする表大雪、褶曲山脈の石狩連峰、今でも噴火を続ける十勝岳連峰、然別湖周辺の然別山群を含む広大な地域を示す総称である。表大雪には黒岳にロープウェイとリフト、旭岳にはロープウェイが設置され、高山帯まで容易にアプローチできる。夏の間だけ管理員が常駐する山小屋は黒岳石室と2020年に改築された白雲岳避難小屋だけである。標高1500m以上の溶岩台地に拡がるお花畑は日本一の豊富さと美しさがあるといわれ、そこには高山蝶が棲息している。

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大雪山の高山蝶

大雪山にはウスバキチョウ、ダイセツタカネヒカゲ、アサヒヒョウモン、カラフトルリシジミ、クモマベニヒカゲの5種類の高山蝶が分布している。これらは寒冷地に棲息している種で、北極を取り巻く地域に分布する周極種とも呼ばれる。クモマベニヒカゲは本州・アルプス山脈との共通種で、他の4種について日本では北海道だけに分布しており、国の天然記念物に指定されている。

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ウスバキチョウ

アゲハチョウ科でヨーロッパ・アルプスに分布するアポロチョウの仲間。このグループはヒマラヤから中央アジアの高山帯に分布するものが多く、約60種類が知られている。本種は朝鮮半島北部や中国東北部、シベリア、アメリカ・アラスカ州などに分布し、日本では大雪山系と十勝岳連峰に棲息する。高山植物の女王といわれるケシ科ケマンソウ亜科のコマクサを食草としており、1年目は卵(卵内1齢幼虫)、2年目は繭を作りその中で蛹になり冬を越す。3年目の6月上旬から羽化する。イワウメやミネズオウ、キバナシャクナゲで吸蜜する。最近は地球温暖化の影響で羽化時期が早くなり、8月には殆ど姿を消す。まれに9月に2回目の成虫が羽化することがある。

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ダイセツタカネヒカゲ

ジャノメチョウ亜科でシベリアやアメリカ・アラスカ州にも分布する。日本では大雪山系と日高山脈北部に分布し、後者は大型で黒化する傾向がありssp.hidakaensisとされる。カヤツリグサ科のタイセツイワスゲやミヤマクロスゲを食草とし、1年目は1~2齢幼虫、2年目は3~5齢幼虫で越冬する。3年目に羽化する個体と、さらに1年かけて4年目に羽化する個体もある。6月中旬から羽化を始める。花で吸蜜することは少なく、まれにチングルマやチョウノスケソウなどで吸蜜することがある。

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アサヒヒョウモン

タテハチョウ科でユーラシア大陸北部から北アメリカ大陸北部に広く分布する。和名と学名の種名は大雪山系の主峰旭岳に因む。おもにキバナシャクナゲを食樹とするが、コケモモやガンコウラン、クロマメノキなども食べる。ウスバキチョウと同じころから羽化を始め、雪解けの遅い場所では8月にも羽化する。4齢で越冬し、翌年越冬から覚めて5齢になり、次いで蛹化・羽化する。キバナシャクナゲ群落上を忙しなく飛び回り、ミネズオウやエゾツガザクラなどで吸蜜する。

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カラフトルリシジミ

シジミチョウ科の小型種で♂の翅表が青色、♀の翅表は茶褐色である。ユーラシア大陸北部から北アメリカ大陸北部に分布する。他の高山蝶と異なり、道東の羅臼岳や斜里岳のほかに根室半島や風連湖などの海岸線付近にも棲息する。食樹はクロマメノキ、ガンコウラン、コケモモなど。7月中旬から羽化する。チシマツガザクラやチシマフウロ、マルバシモツケなどで吸蜜する。

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クモマベニヒカゲ

ジャノメチョウ亜科でユーラシア大陸北部やサハリンに分布し、本州のアルプス高山帯にも棲息する。北海道では利尻山で最初に発見された。むしろ亜高山帯に分布する種で、石北峠や三国峠ではベニヒカゲと混棲する。7月上~中旬から羽化し、本種はベニヒカゲよりその時期が早い。食草はショウジョウスゲやリシリスゲなど。4齢で越冬し、翌年5齢になって蛹化・羽化する。ミヤマサワアザミ、ウサギギク、カンチコウゾリナなどで吸蜜する。

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